レイが好き!臨時増刊
未来編
ありがとう


「ありがとう、レイ」
「うん・・・わたしこそ・・・」

喫茶店を出て、僕達は、湖の周りを歩く。レイは、僕の腕に、自分の腕を通し
て、僕に寄り添って歩く。

「う、うん・・でも、嬉しかった。レイが受け取ってくれて」
「ううん、わたしこそ・・・宝物だもの。ずっと・・・」

僕は、レイの視線の先をおう。レイの真っ白な綺麗な小さな手。左手の薬指に
キラッと小さく光る硬い石・・・

「ずっと、不安だったから・・・」
「うん・・・わたしも・・・」

レイは、強い子だ。僕の前では、いつでも、強い子だった。そして、僕を守っ
てる。でも、本当は・・・レイのこころの傷は、決して消えないから・・・レ
イの存在自身は・・・

でも、僕にとって、レイは、初めから、レイだったのだから・・・

レイにも、それを受け止めて欲しいから・・・レイもそう思って生きているん
だから、だから、僕は、勇気が出せたんだと思う。レイの勇気が僕の勇気にな
ってるから・・

「ありがとう。レイ」
「うん、わたしも・・・ありがと、シンジ」

レイは、そう答えた後、そっと、涙を拭いて、そして、僕を見上げるようにし
て、明るく笑う。

「うふふっ、シンジ、さっきから、そればっかりね」
「う、うん・・・でも、本当に、嬉しいから」

「でも、ホントは、自信あったんでしょっ?シンジ」

レイは、真っ赤に澄んだ瞳をキラキラと悪戯そうに輝かせながら、僕をからか
うように、のぞき込む。僕は、すこし、顔を赤くして、レイに応える。

「そ、そんな、自信なんて、なかったよ」
「うふふっ、う・そ・つ・き・!」

レイは、楽しそうに、笑いながら、僕の腕をもう一度、強く掴みながら可愛い
声で、僕をからかう。

ふふふ、レイって、やっぱり、こういう子だよね。だから、好きなのかもな。
僕は。レイといると、楽しいからね。

「もう!嘘じゃないよ。レイは、意地悪だからね。きっと、断るとおもったか
らね」
「うふふっ、そんなこと、出来るわけないじゃない」

「どうしてさ」
「だって、断ったら、シンジは、絶対に泣くもの」

「泣かないよ。僕は」
「ほら、やっぱり、嘘つきね。シンジは。うふふっ」

「そんなことないよ。レイこそ泣き虫じゃないか」
「あ〜、そんなこというんだ。シンジは。だって、いつも、シンジが泣かせる
んじゃない」

「そ、そんな、それじゃあ、僕が、まるで、悪い男みたいじゃないか」
「うふふっ、いいひとよ。シンジは」

「いいひとねぇ・・・それって、なんか、断る時の常套文句じゃない?」
「だって、いいひとなんだもの。しかたないじゃない?」

そうだね。確かに、いいひとで、ありたいと思って、生きて来たからね。でも、
やっぱり、たまには、「危険な男」とか、言われてみたいな。そうだなぁ・・・
僕には、できないかもしれないな・・そういうのは・・

「わかったよ。レイは、頑固だものね。いいよ。僕は、いいひとで」
「うふふっ。だから、もう、泣かせちゃだめなのよ」

「あははは、でも、きっと、レイは、また泣くよ。だって、泣き虫だもの」
「もう!」

レイは、僕の腕を放して、拗ねたように、後ろに手を組んで、僕の前を歩く。

湖畔の桜並木。そろそろ、桜の花が咲きだして、ちらほらと、ピンクの花をつ
けている。木洩れ陽が、レイの空色の髪を照らして、風に揺れるレイの淡い蒼
銀の髪がキラキラと輝く。そして、日光が透き通ってしまうような、真っ白な
襟元・・・

「綺麗だよ・・・レイ」
「うふふっ、桜の花が・・でしょ?」

レイは、僕の方に振り向いて、ニコっと笑いながら、答える。僕は、真剣な顔
つきで、レイを見つめる。

「ううん、レイが・・・」
「・・・・バカ」

レイは、頬をほんのり、ピンクに、染めて、照れたように、つぶやく。

「ううん、バカじゃない・・ホントに、綺麗だから」
「・・・なにをいうのよ」

「僕は、幸せだね。こんな人を奥さんにできるなんて」
「わたしも・・・」

レイは、うつむいて、声にならない掠れたような声で、つぶやく。

「強くて、でも、弱くて、だから、優しくて・・・・」
「・・・・」

「そして、とっても、泣き虫で・・・」

僕は、レイの小さく小刻みに震える肩にそっと、手を置く。

「・・・あ・り・・が・と」

つづく


あとがき

どもども、筆者です。

はははは、「ありがとう」ではじまって、「ありがとう」で終わる
なんだか、すっかり、「ありがとう」な、短編を書いてしまった。

筆者としては、シンジには、

「バ、バカって・・・もう!僕は、真面目にいってるのに!」

って、いって欲しかったんですけどね。
いやぁ、シンジ君、真面目っ!

あぁ〜・・もう、見てらんないっすよ。このふたり。(・・・をいをい>筆者)
というわけで、かなり短いんですけど、このへんで、ヤメ!です。

しかしまぁ、こんななのかなぁ?
こんなじゃないんだろうなぁ・・・現実的には・・・

筆者は、ガキだから、わかんないやぁ〜

さて、お話の方は、
筆者のページで連載してる「レイが好き!」の未来編です。
それで、カヲル♪さんの「♪♪カヲルの部屋♪♪」へ投稿した「返事」の
まさに、続きです。

まあ、つまり、レイが、「返事」をした直後なわけです。
もし、気になるなら、頑張って、その辺のお話を探してみて下さいね。

ま、そゆことで、続きは、どこに書こっかなぁ・・・
あっ、基本的には、筆者のページの増刊号として、書くはずです。

それから、一応、この二人の更に、未来の姿とかは、既にいくつか、あります。
暇なら、筆者のページにも見に来て下さいね。

最後に、ぷに♪さんへ

Moon visionary 立ち上げおめでとうございます。

それから、お姉さんのぷりち〜♪さんには、
いつも、画像とか、贈っていただきまして、ありがとうございます。
とっても、嬉しかったです(*^-^*)

それで、ちょっち、短くて、なんなんですが、短編をお贈りします。
こんなんじゃ、だめぇ〜♪とかって、つっかえさないでねぇ♪(^^;

んじゃ、そゆことで、また(^-^)/""

それでは、

もし、あなたがこの話を気に入ってくれて、
そして、もしかして、他の作品も読んで下さるとして、

また、どこかで、お会いしましょう。


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